【乳がん】ピンクリボンポスターの炎上騒動

遅まきながら、になりますが

ピンクリボン運動の一環である、

ピンクリボンデザイン大賞のポスターが、炎上しています。

乳がん検診の受診を呼びかけるポスターに関するニュースですから、

思うところがあったものの、考えがまとまらず、記事にできずにいました。

炎上したポスターです。

乳がんにかかった患者と福引を結び付けたことはもちろん

コピーも、無関心だった=検診を受診していなかった乳がん患者に

まるで自業自得だと言っているかのようで無神経だと非難ごうごうです。

私も、もちろん「これはひどいな・・・」と思ったんですけど

仕方ないよね、とも思いました。

乳がん患者のために何かを訴えるポスターではなく

検診を受けて早期発見することを呼びかけるためのポスターです。

まだ、乳がんにかかっていない人に向けたもので

その人たちの目にとまることが、第一目的で作られたのでしょうから。

とはいえ、ここまで無神経なものを作っちゃうのも、すごいなと思いますけどね。

ポスターの絵の中のコピーは、「まさか、私が」ですが

福引の絵柄と組み合わせて読み取るとき

「まさか私が福引に外れるなんて」は、あり得ませんね。

福引は、外れるほうが多いのですから。

「まさか、福引に当たるなんて」としか思えない作りになってるのは

早期発見できたことを「当たり」=不幸中の幸いととらえて作ったからなんでしょうね・・・

と理解できるまで、しばし時間がかかりました。

すでに治療を受けている乳がん患者を、まったく見ていないポスターができあがるのは

コンテストという形式をとれば、当たり前の結果だと思います。

応募する側は、アート作品としてポスターを制作するのですから

お題として提示されていたであろう

「早期発見」を印象づける効果のことしか頭になかったでしょう。

そして、審査員はコピーライター、アートディレクターと広告関係の6名だったそうです。

この中に、早期発見できたことを喜んでいるがん患者や、その家族がいれば

きっとまったく違うものができていただろうと思います。

私自身は、乳がん検診を一度も受けたことがありませんでした。

そして、福引に当たったんだか外れたんだかで、乳がんになりました。

乳がん検診だけではなく、大腸がんも胃がんも、

その他の病気の検診も、自治体がくれる連絡をガン無視していました。

無視していた一番の理由は、めんどくさかったからですので

このポスターで啓発されるべきは、過去の私自身だったのかもしれません。

でも、受診しなかったもう1つの理由がありました。

それは、検診がさしてあてにならないものだという情報を

ある程度、信用していたことです。

検診なんて、まったくあてにならん!と、思っていたのではなく

「たいして」あてにならないという程度の認識でしたが

実際、自分が乳がんになってみて、他人の経験談を見聞きする機会が増えると

乳がんは特に、検診で「問題なし」と言われていたにもかかわらず

後にがんが発見された、という経過をたどっている人が多いことに驚きました。

検診の不確かさは、無責任な情報も含め、巷で散見できます。

調べてみると、日本人の乳房はマンモグラフィー検査だけでは

がんが発見しづらい乳房だそうです。

そのせいで、発見できずに終わる検診もあり

エコー(超音波)検査を併用することで、精度が上がるそうですが

エコーも、医師の技量に頼る部分が多く、発見できないこともあるそうです。

私自身、自覚症状があり、乳がんを疑って病院に行ったときに

エコー検査のみの初診で、乳がんではないと誤診されました。

あの診断を信じていたら、今頃この世の者ではなくなっていたかもしれません。

腹立たしい記憶ですが、百歩譲って医師とて人間、

ミスすることだってあるよ、ということにして話を進めます。

今回、知っているつもりだった「ピンクリボン運動」について、改めて調べてみました。

「ピンクリボン運動」とは、乳がんの早期発見、早期診断、早期治療を促す活動だそうです。

検診は楽しいものではありませんから

ポスターを見て「そうだ 検診、行こう。」とは、なかなか思わないでしょう。

だからといって、

がんにかかったらいやでしょ?

怖いでしょ?

家族が悲しむよね?

そういう脅すような方向性のものは、がん患者が見れば

どんなものであれ、不快に感じるにきまっています。

コンテスト形式を続ける限り、そういったポスターは

これからも作られてしまうだろうとも思います。

それは、がん患者ではないクリエーターが作れば

どこかの誰かが乳がんだったら・・・

と、自分ではない誰かを想定して作ることが多いからです。

それは、どこまでいってもただの想像です。

ポスターの過去作品を見て、そう思いました。

当事者にしか、わからないことがあります。

だから、何をどう作られても

早期発見を啓発するポスターは、乳がん患者の心をえぐるでしょう。

おっぱいがなくなったんです。

再発、転移したんです。

再発、転移が怖いんです。

早期発見できた人はもちろん、そうでない人も

こういった心の痛みと、毎日向き合って生きているからです。

そんなこと、経験してみなければわからない、

と言われてしまえばそこまでですが

検診を受けていたにもかかわらず

見落とされてしまった人が、相当数いることには

配慮する必要が、絶対にあるはずです。

そのような姿勢は、ポスターからは感じられません。

ピンクリボンデザイン大賞は、「公益財団法人 日本対がん協会」が主管したものだそうです。

公益財団法人 日本対がん協会

今回の炎上騒動をきっかけに、ピンクリボン運動のあり方を、

関係者各位が再考されることを期待しています。

具体的には、実際の患者の声を聞いているのかな?と、疑問に思わないような

そういう団体になってくれることを期待しています。

ギリギリchop

1964年生まれ 専業主婦です。 同居家族は4歳年上の夫。 多発性骨転移あり、ステージ4の乳がん治療中ですが、あつ森で楽しく遊ぶ毎日です。 あつ森の活動は、YouTube動画にもしています。 〈夢番地〉 メイン島=Bz島(とう) 4235-3076-8158  サブ島=あいのバクダン島(じま) 6602-5444-4994

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カテゴリー: 乳がん

作成者: ギリギリchop

1964年生まれ 専業主婦です。 同居家族は4歳年上の夫。 多発性骨転移あり、ステージ4の乳がん治療中ですが、あつ森で楽しく遊ぶ毎日です。 あつ森の活動は、YouTube動画にもしています。 〈夢番地〉 メイン島=Bz島(とう) 4235-3076-8158  サブ島=あいのバクダン島(じま) 6602-5444-4994

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