読書が好きなので、ほぼ毎日何か本を読んでいます。
図書館で借りてくることがほとんどです。
図書館の本の良いところは、なんといっても「無料」というところです。(笑)
定期的に通っては、おもしろい本を探し続けていますので、たまに「大当たり!」と思える本に出会えると、ガッツポーズです。
今回借りた本の中に、大当たりがありました。
吉川英梨さん著「海の教場」です。

表紙が何やらゴツイ感じですよね。
それもそのはず、舞台は海上保安官を育成する海上保安学校です。
主人公の教官目線で、若き海上保安官の成長を見守りつつ、海保の内情を垣間見て、海上保安官の意識の高さに敬服し・・・
と、楽しめる要素がもりだくさんの小説になっています。
物語の柱の一つに、主人公の恋愛話もあります。
主人公には愛する人がいて、その人のためにダイエットを開始します。
愛する人に自分の肝臓をあげたい、・・・と書くと、何やら別の小説のタイトルみたいですね。
あれは「食べたい」でしたっけ。(笑)
愛する女性が末期の肝臓がんで、残された道が生体肝移植しかない、とわかったものの、主人公はメタボで脂肪肝だったのです。
というわけで、脂肪肝を解消すべくダイエットを開始します。
本のあらすじは、これ以上書きませんが、とてもおもしろい小説でしたので、お勧めです。
たくさんの小説を読んでいると、ときどきがん患者が登場します。
フィクションですから、病状や経過はさまざまですが、乳がん患者となってからは、以前よりずっとその状況を真剣に読んでしまいます。
今回の小説は肝臓がんでしたが、ほかにもたくさんの部位のがん患者が登場する物語を読んでいます。
作家さんは、取材をしたうえで物語を構築しているはずなので、受けたことのない治療については、メモしてしまうこともあります。
読書は娯楽ですけど、ついつい、情報収集に役立ててしまいます。
たとえがおかしいかもしれませんが、私は牧場で羊の群れを「かわいい~」と言ってながめたあと、平気でジンギスカンが食べられます。
これ、ダメな人も多いみたいですね。
でも、私は平気なんです。
そのせいでしょうか?
物語の中の患者さんの命が尽きる展開でも、自分に重ねて考えるということが、まったくありません。
物事を深刻に考えない、楽天的な性格なのでしょうね。
ですから、小説にがん患者が登場しても、平常心で最後まで読んでいます。
それでもやはり、治療がうまくいった!という展開のほうが、うれしく感じます。
読後感という意味で、当たりまえなのかもしれませんが。