きのうの記事(【乳がん】がんをトリックに使った小説)で紹介した本、「がん消滅の罠 暗殺腫瘍」の大きなテーマのひとつは、「代替医療」でした。
作品の中で、代替医療は否定的に描かれていました。
もちろん、全否定するものではありませんが、繰り返し説明されていたことが、標準治療で治ったかもしれないうちに代替医療を選択する危険性です。
小説の中では、妊娠中の女性、声を失いたくない歌手、出世街道から外れることを恐れた会社員などが、手術ができた時期に代替医療を選び、残念な最期を迎えてしまう様子が描かれていました。
代替医療は、免疫療法や健康食品など、複数のケースが登場しますが、どれも主人公である医師に、「科学的根拠なし」と、ばっさり斬って捨てられていました。
作者が、標準治療を軽視すべきではない、という警鐘を鳴らしていることが伝わってくる作品でした。
代替医療を選択している人が読むと、いやな気持になるかもしれませんが、逆に、標準治療を選択している患者には、励みになります。
代替医療を選ぶ理由は、副作用がない、軽いから、ということが多いようです。
標準治療の手術は、体への負担が大きく、抗がん剤治療には、副作用がつきものですから、手術不要!脱毛しない!などと謳われている治療法が効くのなら、多くの人がそちらを選ぶでしょう。
残念ながら、今のところそのような夢の治療はありませんから、選べる最善の治療を受けていくしかありません。
でも、「~しかない」と考えるより、この治療があるから生き延びることができている、と考えたほうが穏やかに過ごせます。
病気になってしまったことは、どうしようもありませんが、治療中の生き方は選択も修正もできます。
生き方は人それぞれですが、笑って過ごせる毎日がいいなと、私は思います。