17年ほど前のことです。
某所で、人生初のブログを開設し、日々の雑感を記事にしていました。
そこに、同い年だという女性が「価値観が似てると思う」とコメントをくれて、
お気に入り登録もしてくれました。
私もその人のブログを読みにいき、たしかに感じ方や人とのかかわり方など
多くの点で共感できる人だったので、お返しにというのではなく
お気に入り登録をさせてもらいました。
そこから、その人、仮にAさんとしますが、
Aさんとは仲良くなって楽しく交流することになりました。
Aさんは、乳がんと離婚の経験者で、
看護師をしながらお子さんをひとりで育てていました。
乳がんを患ったのはまだ、Aさんが独身、二十代のころで
乳房全摘(後に再建)、化学治療を受けた後は順調に回復していたのですが
知り合って半年ほどが過ぎたころ、再発したという記事がアップされました。
今、自分ががん患者になっていても、そういうときにかける言葉を知りません。
ですから、その当時はもっと、どうコメントをすればよいかわからないまま
それでも、何かはコメントしたのでしょうけれど
Aさんと、どんなやりとりをしたのかは、覚えていません。
Aさんは、とても、狼狽している様子でしたし、それ以上に
大きな悲しみと絶望に包まれていることが伝わってきました。
もう一度、あれをやるのは無理。
そういう内容が、最後の記事でした。
Aさんはブログを閉鎖することもせず、どこかに消えてしまいました。
Aさんが無理だと感じた「あれ」とは、手術、治療、再建のことでした。
当時の様子は、過去記事で読んでいて
たしかに、もう一度はつらすぎると思える闘病記でした。
その後、Aさんがどうしたのかは、まったくわかりませんが
気力を振り絞って、もう一度治療を受けてほしいなと
当時も思いましたし、今はもっと強く思います。
あれからもう、17年経っています。
お別れのご挨拶をすることもなく突然、ご縁が切れた人だから
きっと治療を受けて、どこかで元気にしていると思えるのは、救いです。