気になるニュースが報道されていました。
https://news.livedoor.com/lite/article_detail/24681524/
(ライブドアニュースのリンクです)
夫65歳、妻64歳になり、年金生活に入ったご夫婦のお話です。
年金が月額約25万円、貯蓄3500万円あったため、経済的な不安はなかったはずでした。
さかのぼって妻が60歳のときに乳がんが発覚し、治療を続けてきたそうですが、標準治療だったため大きすぎる負担にはならずにすんでいました。
早期発見だったため、手術、その後の再発予防の投薬を7年間続けてきましたが、肺転移が見つかり、その後、骨、肝臓への転移が続きました。
妻が67歳のとき、主治医から「これ以上、標準治療でできることがない」と告げられ、在宅医療などに切り替えることを勧められたそうです。
突然の通告に驚いた夫婦が、ネット検索で見つけたのが、免疫療法(自由診療)でした。
「末期がんをあきらめない・ステージ4でも完治できる」という文言を信じて、治療を受けることにしました。
1クール(3週間に1回通院×5回)で1600万円と、高額の費用がかかりましたが、その治療を2クール受けたそうです。
ところが、思ったように回復しないどころか、病状が悪化してしまったそうです。
高額なら、きっと効果も高いはずだし、先端医療だと聞いて、特別な医療だと考えてしまったことが招いた結果でした。
改めて主治医に話を聞き、自由診療で行われていた免疫療法は科学的根拠がない治療だと知ったそうです。
奇跡を信じたいのは、誰しも同じですから、このご夫婦のことを、とやかく言うことは誰にもできません。
どんな選択をしようとも、それこそ自由ですから、自由診療を試さなかったことを後悔するというのも、悲しいことでしょう。
試してみることは、悪いことではないはずです。
でも、きっと治る!と信じこんでしまったら、希望が絶たれたときの絶望は、いや増してしまうことでしょう。
自由診療は、治療効果が証明されていないことを知っておくことが、まず必要ですよね。
自由診療を行うところで、その説明がないから、悲しいことになってしまうのだとしたら、説明義務を課してほしいなと、思います。
そして、患者自身が「いずれ、治療は終わる」と覚悟しておくことも必要だと感じます。
私個人としては、標準治療ですることがなくなったときが、治療の終わりで、その後は緩和ケアに移ろうと決めています。
なるべく家族に負担がかからない状態を優先させるつもりです。