抗がん剤を投与され始めたとき、これまでなんの問題もなく飲めていたお酒が飲めなくなりました。
肝臓に負担がかかりすぎていたのかなーと、想像していますが、アルコール処理がおいついていなかったのか、気分が悪くなるようになりました。
そのおかげで、お酒をすっぱりやめることができて今に至っています。
今は、飲んで気分が悪くなるということはなさそうですけど、わざわざ体に悪いものを飲むこともなかろうと、断酒したままです。
お酒を飲む人からすると、「前は飲んでいたけれど、今は飲まない」と話すと、「どうやってやめたの!?」と、驚かれます。
がんになって・・など、詳しく話すことはしませんが、「薬をのんでいたときに、副作用がきつくて飲めなくなったのがきっかけで」と話すと、皆さん「なるほど!」と、納得します。
お酒を体が受けつけないレベルまで行ったからやめた、という経験談は「それなら、わかる」となるものの、それ以外、つまり「意志の力」によって断酒したというのは、ありえないと感じるようです。
私自身も、がん発覚時は毎日の晩酌をやめずに治療をスタートさせました。
お酒はやめられないと思ってましたし、断酒までして長生きしなくていいとさえ思ってました。
酒のみの思考って、どこかずれてるなと、今になって思い返しますが、断酒した人の話を「自分にはできない」と決めつけて聞く人の気持ちもよくわかります。
酒は百薬の長と言われていた時代は遠くなり、今や一滴レベルでも有害とされているアルコールです。
やめられる人はやめたほうがいいですね。
でも、こればっかりは無理です。
習慣的に飲酒する人は、立派な依存症ですから、意志の力だけでやめるのは多くの場合不可能だとわかっているので、やめられて本当によかったなーと、今さらながらに安堵しています。