先日、病院の診察室前の待合室で看護師さんと話している患者さんがいまして、会話内容が耳に入ってきました。
大腸がんの新しい治療が始まるらしく、下剤の使い方を確認していたのですが、患者さんは「何度も経験してるから」と、もの慣れた様子でした。
看護師さんも、「ベテランだから、大丈夫ですよね」と、明るく対応していましたので、悲壮感はまったくありませんでしたが、実はたいへんな会話ですよね。
下剤を使って腸内を空にしての検査なり、処置なりが必要で、それを何度も経験しているって、たいへんな治療を何度も乗り越えてきた、ということです。
私は「たいへんだったなあ」と思う治療は、1回しか経験していません。
化学療法室で、抗がん剤の点滴を注入してもらっていた半年は、副作用も激しく出ましたし、治療そのものにしんどさも感じていました。
あれと同じ、あるいはもっと負担がかかる治療をまたするときがきたら、少しはがっかりするだろうなと、思います。
それでも、治療ができるならまだいいやと、きっと思うのでしょうけどね。
先日聞こえてきた会話は、病院ならではのものでしたが、万人がみな同じように対応するわけもありません。
明るく前向きに治療に向き合っている方の会話だったので、へこむことなく帰っこられて、ありがたく感じました。