コロナ禍が落ち着いて、病院の警戒態勢も少し緩み、付き添いの人の姿が目立つようになりました。
特に、私が通っているのは総合病院の乳腺外科ですから、ご一緒する方の多くが乳がんだろうと思われます。
中には若い方もいて、その方々の多くが、夫さんもご一緒です。
乳がんによらず、若いときにがん治療をするとなれば、妊娠をどうするかという大問題があります。
ご夫婦にとって、たいへん重い時間を過ごしていることでしょう。
妊娠だけではなく、乳房を温存するかどうか、ということも若い時期に向き合うにはつらい問題です。
もちろん、歳をとってもつらい問題であるのでしょうけど、20代、30代と、40代、50代では気持ちの整理の仕方がだいぶちがってくることでしょう。
病院では、いろいろな人と行き合います。
総合病院ですから、その多くの方々が重篤な病気を抱えているはずです。
そのせいか、病院に行って帰ってくると、ぐったり疲れています。
何か、特殊なオーラが漂っているんでしょうね。
私も、そのオーラを発しているひとりなのですが。
命の問題を抱えている人が集まる場って特殊ですが、そこで延命治療を受けていることも確かな事実です。
何もかもがマイナスなわけではないはずですが、たくさんの人の失意、悲しみが渦巻いている場なんだなということを、行くたびに感じます。
そういう患者を診る医師、看護師さんたちって、たいへんな仕事をされているなあと、改めて尊敬します。