藤ノ木優さんの小説「まぎわのごはん」を読みました。
舞台となる料理店「まぎわ」は、元医師がオーナーで、あらゆる病人が安心して食べられる食事が提供されます。
店名「まぎわ」は、命の間際まで患者を孤立させないという、お店の姿勢を表しています。
糖尿病、腎臓病、食品アレルギー、がんなど、さまざまな病気を持つ患者が登場し、それぞれに心を尽くして料理を提供する様子が描かれていました。
病気のため、食べられるものに制限がある患者、食べる力が残っていない患者、登場人物の食事事情はさまざまですが、「おいしい」と思うこと、食事をすることが生きていることを実感できるのだと、改めて感じました。
私は今のところ、食べられないものもありませんし、量もこの歳にいてはたくさん食べられるほうだと思います。
それでも、いつか食べる力を失う日がくるでしょうし、その前に、薬の副作用で味覚を失うかもしれません。
味覚障害は、一過性ですむかもしれませんが、食べたいものが食べられるのが当たりまえでなくなる日は、誰にでもくるものでしょう。
ズボラなので、一食一食をだいじに丁寧に・・・というような暮らしは、とてもとてもできない性分です。
それでも、食べたいものは、どんどん食べておいたほうがいいなと、思います。
体に悪いとわかっているものを、ドカドカ無制限に食べるのは控えますが、好きなものをときどき楽しむときは、ゆっくりじっくり丁寧に味わっていこうと思いました。
どこまでも食いしん坊な感想ですね。(笑)