2004年刊行なので、とても古い本ですが
エッセイスト岸本葉子さんと、精神科医内富庸价さんの対談集を図書館で借りて読みました。
20年前の本なので、告知に関する記載など、今とはちがうなと思うこともあれこれあるのですが
こういうことって、これまでどんな本にも書いてなかったなあと、いう箇所がありました。
「下手な夫はいらない!」とい小見出しがついた章で、夫についてあれこれ書かれていました。
一概に、夫のほうが、妻ががんであることを否認する、だとか
そして、がんが症状がないため、ふつうに暮らせるのを見ると
「おまえはがん告知されたけれど、昨日と何も変わらないじゃないか、病人ぶるな」と言われた妻の話も紹介されていました。
これは、大いにうなずける記載でしたねえ。
「病人ぶるな」と言われたことは、ありませんが
妻のがんを否認したがるというのは、まさに夫がそうでした。
そして、20年前の本で「やっと、乳がんの診察につきそってくる夫が増えてきた」とありますが
コロナの影響もあるとはいえ、私が知る限り夫婦で診察に来ている人は、乳腺外科では見たことがありません。
そして、我が夫もまだ主治医と会ったことがありません。
逆だったら?
夫ががんにかかったら、いっしょに病院へ行って、主治医の話を聞くだろうなと思いますが
夫には、そういう思考回路はまったくないようです。
それは、決して無関心だとか冷たいだとか、そういうことじゃなく、単純な性差による感性の違いなんですよね。
今もし、夫ががんにかかったら・・・
自分のことだけでも精いっぱいですから、どれだけケアしてあげられるでしょうか?
自分のことを思うと、特に何もしてくれなくていいから
普通にしていてほしいと思い、そうしてくれているので、ありがたいですが
夫は、自分が病気になったら、どうなるのかなあ?
不快な症状が出れば、かなり手がかかるだろうなと、今から覚悟しておいたほうがよさそうです。
これはきっと、多くの夫婦で同じだろうと思っていたほうが、心穏やかでいられそうです。